研究課題/領域番号 |
18590935
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (90212761)
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研究分担者 |
長峯 隆 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10231490)
川又 純 京都大学, 医学研究科, 助手 (60360814)
石津 浩一 京都大学, 医学研究科, 助手 (50314224)
臼井 桂子 静岡てんかん, 医療センター・臨床研究部, 医師 (60402872)
木下 真幸子 京都大学, 医学研究科, 医員 (90402883)
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キーワード | 常染色体優性外側側頭葉てんかん / 部分てんかん / LGI1遺伝子 / genotype / phenotype / 聴覚誘発磁場 |
研究概要 |
現在当施設で加療中の常染色体優性外側側頭葉てんかん(autosomal dominant lateral temporal lobe epilepsy with auditory features : ADLTLE)はADLTLEは3家系あり、そのうち外来で通院加療中は現在計6名である。他施設で加療中あるいはてんかん発作が強く疑われる構成員は現在段階で13名が把握されている。本年度は、臨床症状および各所臨床検査所見に関して、検討して、以下のような結果を得た。 1)2家系において、遺伝子検索を行い、LGI1遺伝子のexon8における点突然変異を2家系で異なる部位に認めた。その一つは既報告で、もう一つは新たな部位であった。 2)同一家系においても臨床症状に差異を認め、外側側頭葉症状、内側側頭葉症状、パニック発作症状が、混在していた。また家系間でも上記症状には差異を認めた。 3)少なくとも異なる2家系に属する2名の患者の発作は極めて難治であり、過去の報告のように発作は必ずしも稀発ではなかった。 4)FDG-PET、MRIでは、それぞれ外側側頭葉の糖代謝低下と容量低下を示した。 5)脳波検査では、発作間欠期のてんかん性放電の出現率は極めて低かった。一方、臨床症上音刺激で誘発される発作を有する患者においては、全頭型脳磁場計測装置を用いて、聴覚誘発磁場(auditory evoked field : AEF)の振幅の異常な増強を認めた。 以上より、LGI1遺伝子以外に、genotypeとphenotypeの相違を決定する修飾因子の存在が強く示唆された。また異常機能部位が、興奮性の亢進か脱抑制の低下であるかは、今後検討検討を進める予定である。
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