研究課題
同一家系においても臨床症状に差異を認め、外側側頭葉症状、内側側頭葉症状、パニック発作症状が、混在していた。また家系間でも上記症状には差異を認めた。少なくとも異なる2家系に属する2名の患者の発作は極めて難治であり、過去の報告のように発作は必ずしも稀発ではなかった。FDG-PET、MRIでは、それぞれ外側側頭葉の糖代謝低下と容量低下を示した。臨床症上音刺激で誘発される発作を有する患者においては、全頭型脳磁場計測装置を用いて、聴覚誘発磁場(auditory evoked field: AEF)の振幅の異常な増強を認めた。LGI1による蛋白は脳内しかも側頭葉外側での発現が多いことも最近指摘され、ADAM22がLGI1蛋白の受容体であることが示されその異常がシナプス伝達に関与することが示された。以上から、AEFの振幅の異常な増強は、抑制系の破綻かあるいは興奮の増強かは、病態解明と治療へのアプローチに関してさらに解明する必要がある。今後の展望LGI1遺伝子改変ラットの開発:既に実績のあるENUミュータノジェネシス法により個体を作成し、その精子の新規DNAスクリーニング法によりてんかん関連遺伝子異常を見いだし顕微授精して遺伝子改変ラットを作成する方法を用いる。作成されたラットの行動評価、脳波記録によりてんかん活動の有無の評価、動物用PETによるてんかん焦点を評価して、部分てんかんモデルとしての妥当性とその行動学的、生理学的特徴を明らかにする。さらに組織学的に異常遺伝子の発現蛋白の脳内分布と発現蛋白の免疫的機能的評価、発現した神経細胞の組織学的、機能的評価を行い、LGI1の異常遺伝子が如何にして神経細胞にてんかん原性を発現させるかという機序を明らかにして、clinico-genotype correlation検討を進める。本申請グループでは現時点でENUミュータノジェネシス法により上記のADLTEのLGI1の異常を有する精子の作成に既に成功し、今後顕微授精の予定である。
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