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2008 年度 実績報告書

Aβ新規関連タンパクβ-Alcのアルツハイマー病診断マーカーとしての臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 18590940
研究機関鳥取大学

研究代表者

浦上 克哉  鳥取大学, 医学部, 教授 (30213507)

研究分担者 谷口 美也子  鳥取大学, 医学部, 助教 (50335527)
キーワードアルツハイマー病 / セクレターゼ / アミロイドβタンパク / アルカデイン / β‐Alc / APP
研究概要

アルカデインは、神経細胞膜上でアルツハイマー病(AD)の原因遺伝子の一つであるAmyloid precursor protein(APP)と協働することが判明しており、APPの切断と同調してアルカデインの切断ペプチドも出現する。APPから産生されるAβは脳内に蓄積して凝集するのに対して、アルカデインの代謝産物β-Alcは凝集しないため、脳内から髄液中に排出され、それから血中へ移行する。このβ-Alcを定性・定量することで、ADの脳内でのAβの産生量、凝集量を推測することができ、β-Alcは、Aβの病態を反映したマーカーとなり得る可能性がある。
アルカデインには3つのアイソフォームα,β,γがあるが、そのうちアルカデインα,βからセクレターゼによって切断されて産生されるβ-Alcαとβ-Alcβの切断サイトを明らかにし、ELISA法による測定法を確立した。AD患者の髄液中のβ-Alcは、コントロール群、極軽度のAD群と比較して有意に高値であることが分かった。また、髄液中リン酸化タウタンパク181とAβ1-42との相関を検討したところ、Aβ1-42とは相関しなかったが、リン酸化タウタンパク181とは有意に相関していた。今回の検討から、髄液中β-Alcαの測定のAD診断マーカーとしての可能性が示されたが、今後血液を用いて、血中新規診断マーカーとしての可能性を検討するほか、臨床症状との相関やその他の認知症との鑑別が可能であるかを検討していく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Sugar chains of cerebrospinal fluid transferrin as a new biological marker of Alzheimer's disease2008

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi M
    • 雑誌名

      Dement. Geriatr. Cogn. Disord. 26

      ページ: 117-122

    • 査読あり
  • [雑誌論文] GAB2 is not associated with late-onset Alzheimer's disease in Japanese2008

    • 著者名/発表者名
      Miyashita A
    • 雑誌名

      European J. Hum. Genet.

      ページ: 1-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 初期認知症の診断2008

    • 著者名/発表者名
      浦上克哉
    • 雑誌名

      総合臨床 57

      ページ: 761-762

  • [学会発表] WGA binding glycoprotein as a new diagnostic biomarker for early stage of Alzheimer's disease2008

    • 著者名/発表者名
      Katsuya Urakami
    • 学会等名
      IPA European Meeting
    • 発表場所
      Ireland
    • 年月日
      2008-04-11
  • [図書] これでわかる認知症診療(かかりつけ医と研修医のために)2009

    • 著者名/発表者名
      浦上克哉
    • 総ページ数
      99
    • 出版者
      南江堂

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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