研究課題
基盤研究(C)
我々が保有する検体のうちで未だ原因遺伝子が不明なものについて脊髄小脳失調症14型(SCA14)および同16型(SCA16)を検索した。SCA14はprotein kinase Cのγsubtype(γPKC)をコードするPRKCG遺伝子、 SCA16はContactin 4(CNTN4)遺伝子が原因と報告されている。PRKCG遺伝子のエクソン4をスクリーニングしたところ、新たなC/Tミスセンス変異を同定した。本変異を有する症例の臨床症状は基本的には失調症状であるがてんかんをきたすものもあり、幅広いものであった。全体での本遺伝子の変異はこの1家系のみで認められ、日本におけるSCA14の占める割合は低いものと考えられた。CNTN4のc.4256C>T変異のスクリーニングでは同部位の変異を認める症例はなく、日本人においてはきわめて稀な変異・疾患であると考えられた。これまでの検討により家族歴のはっきりしたグループではSCA6の頻度が25.3%と最多で、次いでSCA3が23.1%、DRPLAが8.2%、SCA1が4.0%と続き、原因不明のものが34.8%であることを報告した。SCA6の原因遺伝子のCACNA1AのCAGリピートが伸長している家系を欧・南米・極東から収集し、ハプロタイプ解析を行った。中核となる疾患関連ハプロタイプはどの地域でも見出された。このコアハプロタイプは親が健常なde novo患者でも見出され、SCA6の病変座におけるCAGリピートの伸長しやすさの素因を共有していることが推測された。CAGリピートが伸長している候補遺伝子のスクリーニングではリピート数の分布はheterogeneityを有するものの、パターンは正常群と類似しており、かつリピートの伸長しているものは認めなかった。
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