研究課題/領域番号 |
18590964
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
南 成祐 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 併任研究員 (20392417)
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研究分担者 |
西野 一三 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 部長 (00332388)
林 由起子 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 室長 (50238135)
野口 悟 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 室長 (00370982)
埜中 征哉 国立精神・神経センター, 神経研究所, 名誉所員 (80040210)
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キーワード | 臨床遺伝学 / 神経・筋疾患 / サルコメア / ミオフィブリラーミオパチー / ZASP / マルチミニコア / myotilin / 拡張型心筋症 |
研究概要 |
1.ZASP異常症:ZASP遺伝子変異はミオフィブリラーミオパチー(MFM)のみならず、拡張型心筋症(DCM)や晩発型遠位型ミオパチーにおいても報告がある。そこで、昨年度よりも検索対象を広げ、狭義のミオフィブリラーミオパチーの特徴である蛋白凝集体の存在にはこだわらず、光学顕微鏡下で筋原線維間網の乱れが認められる180名の患者を抽出した。ZASP遺伝子の塩基配列解析をおこなったところ、1名でp.D626N変異が、2名でp.A147T変異が発見された。前者のp.D626N変異は以前、拡張型心筋症での報告があり、実際この患者は高CK血症とともに、ペースメーカーを必要とする重篤な房室ブロックを呈していた。興味深いことに、骨格筋病理像ではMFMに特徴的な明白な蛋白凝集体や縁取り空胞は認められず、マルチミニコアの存在が主要な病理変化であった。一方、p.A147T変異は以前MFMにおいて報告があり、今回の2名の患者でも骨格筋の筋力低下があるが心障害は認められていない。骨格筋病理像では、MFMに特徴的なcytoplasmic body、 spheroid body、縁取り空胞のみならず、マルチミニコア類似所見も認められた。これらの結果から、ZASP変異によっては骨格筋の病理学的変化としてマルチミニコア構造を引き起こしうることが初めて明らかになった。 2.Myotilin異常症:本邦で初めてmyotilin変異による肢帯型筋ジストロフィー1A型(LGMD1A)の家系を見いだした。 3.Cofilin遺伝子変異の探索:MFMの新規候補遺伝子としてcofilin 2に着目したが、80名からは変異を認めることはできなかった。
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