研究課題/領域番号 |
18590968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国立長寿医療センター(研究所) |
研究代表者 |
松原 悦朗 国立長寿医療センター, (研究所)・アルハイマー病研究部, 室長 (70219468)
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研究分担者 |
東海林 幹夫 弘前大学, 医学部, 教授 (60171021)
伊藤 伸朗 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (10362344)
瓦林 毅 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90186156)
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キーワード | アルツハイマー病 / ELISA / Aβオリゴマー / 診断マーカー |
研究概要 |
神経毒性Aβオリゴマーを特異的に認識する、我々の取得済みのクローン(1A9,2C3)を捕捉抗体として使用し、WAKOより市販されているELISAキットで用いられているAβ40及び42断端特異的なクローンBA27とBCO5を検出抗体として使用することで、神経毒性Aβオリゴマーに特異的ELISAを構築した。脳脊髄液中に存在するAβオリゴマーの同定はゲル濾過法で行った。通常の吸光度測定では微量のAβオリゴマーの検出が不可能であったため、新規に化学発光系を構築しその検出が可能となった。アルツハイマー病患者とage-matchした健常者のプールした脳脊髄液のゲル濾過フラクション解析からは、アルツハイマー病患者においてAβオリゴマーの増加が明らかとなった。特に、Aβ42オリゴマーの増加が、Aβ40オリゴマーに比較して顕著であることが判明した。少数例ながら、今回構築したAβオリゴマーに特異的ELISA系で診断マーカーとしての有用性を検証した結果、アルツハイマー病患者でAβ42オリゴマーが優位に増加していることが明らかとなった。Aβ40オリゴマーも増加傾向にあったが、統計的優位差は得られなかった。本年度の結果から、アルツハイマー病の認知機能障害惹起分子であるAβ42オリゴマーが脳脊髄液検査で検出可能であることが明らかとなり、またアルツハイマー病において同分子が優位に増加しているとの結果も得られたことから、病態予測・病勢把握マーカーとしてこの神経毒性Aβオリゴマー検出系はきわめて有望と考えられた。
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