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2007 年度 実績報告書

新たなインスリン感受性調節因子としてのSUMO化縮合酵素Ubc9の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18590974
研究機関群馬大学

研究代表者

柴田 宏  群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (20235584)

キーワードインスリン感受性 / 脂肪細胞 / 糖輸送 / SUMO化 / Ubc9 / GLUT4
研究概要

骨格筋および脂肪細胞はインスリン刺激により、細胞内へのグルコース輸送が数倍ないし十数倍活性化される。このような高いインスリン感受性グルコース輸送はこれらの細胞に特徴的に見られるものであるが、この高いインスリン感受性を発現・維持する機構は不明である。一方、ヒト2型糖尿病では骨格筋・脂肪細胞においてインスリン感受性グルコース取り込みの障害(インスリン抵抗性)が存在することが知られており、インスリン感受性を発現・維持する機構の解明は糖尿病に見られるインスリン抵抗性の病態の解明あるいは新たな糖尿病治療薬の開発につながることが期待される。
本研究では,脂肪細胞のインスリン感受性発現における翻訳後修飾機構の関与について検討を行った。その結果,(1)SUMO化縮合酵素Ubc9の発現量が脂肪細胞の分化に伴い増加すること,(2)アデノウイルスベクターを用いてUbc9を過剰発現した脂肪細胞では,GLUT4発現量の増加と,インスリン感受性コンパートメントへのターゲティングの促進がみられ,その結果としてインスリン感受性グルコース輸送が増強されること,(3)逆に,RNA干渉によりUbc9発現を抑制することにより,GLUT4のインスリン感受性コンパートメントへのターゲティングの減少と,GLUT4の分解促進による発現量の低下が生じ,インスリン感受性グルコース輸送の低下が見られること,(4)脂肪細胞においてはGLUT4の細胞内ターゲティングがGLUT4の蛋白寿命に大きく影響すること,等を明らかにした。これらの結果は,Ubc9がGLUT4の細胞内ターゲティングとターンオーバーを介してインスリン感受性発現を調節する重要な機能蛋白であること,また,脂肪細胞のインスリン感受性の発現・維持に,GLUT4の細胞内ターゲティングが大きく影響することを示すものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The SUMO conjugating enzyme Ubc9 is a regulator of GLUT4 turnover and targeting to the insulin-responsive storage compartment in 3T3-L1 adipocytes2007

    • 著者名/発表者名
      Liu L, et. al.
    • 雑誌名

      Diabetes 56

      ページ: 1977-1985

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dictyostelium differentiation-inducing factor-1 (DIF-1) induces GLUT1 translocation and promotes glucose uptake in mammalian cells2007

    • 著者名/発表者名
      Omata, W., et. al.
    • 雑誌名

      FEBS J 274

      ページ: 3392-3404

    • 査読あり
  • [学会発表] インスリンによるGLUT4分解促進作用におけるユビキチン化の関与2007

    • 著者名/発表者名
      柴田宏, 他3名
    • 学会等名
      第50回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2007-05-25
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [備考]

    • URL

      http://imcr.showa.gunma-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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