研究概要 |
1)microtubulesの構築を破壊するCholcicineでL6細胞を前処置しインスリンで刺激した場合、GLUT4(G4)の細胞膜への移動は部分的に抑制された。AKT阻害剤で細胞を前処置した場合、G4の移動は大部分が抑制された。 2)さらに、PI3Pを細胞内へ導入した際のG4の移動はCholcicine前処置によって大部分が阻害される一方、AKT阻害剤前処置による影響は受けなかった。その反面、PI(3,4,5)P_3によるG4の移動はCholcicineの影響は部分的であり、AKT阻害剤により大部分が抑制された。 3)1)と同様の条件下でトランスフェリン受容体(TfR)の細胞膜への移動を観察すると興味深いことにAKT阻害剤処置下でもTfRの細胞膜への移動は部分的であることが観察された。 4)以上の結果より、インスリンによるG4の移動の大部分はAKT依存性でありmicrotubuleに部分的に依存するが、PI3Pによる移動経路(AKT非依存性)はmicrotubuleの利用率がより高いことが示唆された。TfRの移動の結果と合わせ、AKT非依存性、microtubule依存性の経路を各刺激が異なる分子の移動に対し異なる割合で利用していることが示唆された。 5)以上の結果は主にRUMs assayを用いたものでありmembrane lawn assayを利用し同様に検討を進め、現在、実験計画のとおり、各条件下で以下の実験を実行中である。 1)移動した異なる分子の細胞膜への挿入機序の条件解明のために細胞膜付近の各分子の細胞外ドメインを認識するアッセイ法で検討 2)AKT-AS160等のG4の移動に重要なシグナル分子の関与の検討。 3)cytoskeletonの関与を阻害剤により使用し検討。
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