我々はまず、マクロファージ細胞死抑制因子(Apoptosis Inhibitory factor of Macrophage : AIM)のプロモーター、調節領域を単離するため、NCBIゲノムデータベースからAIMの5'側上流の塩基配列を解析し、それをもとにPCRプライマーを設計、作製した。プライマーは、上流、-6802、-5743、-5256、-4252塩基部位と、転写開始部位より下流、翻訳開始部位直前の+96部位の設定し、これらを用いてマウスゲノムDNAを鋳型として増幅を行った。その結果、-5256から+96および-4252から+96のPCRが良好な遺伝子増幅を得られたため、-5256から+9のPCR産物を本研究に用いる人工遺伝子のプロモーターとして用いることとした。アガロースゲル電気泳動から目的遺伝子を抽出し、インビトロゲン社TAクローニングキットを用いてpCR2.1ベクターに組み込み、大腸菌形質転換により大量精製をした。 さらに、アポ蛋白AI遺伝子の転写終了配列と、その下流配列約1000塩基を同様の手法で精製し、このベクターのプロモーター配列下流にマルチプルクローニング配列を挟んで組み込み、AIMプロモーターカセットとして精製した。 一方、Cdc42 wild type、dominant negative、およびdominant positive cDNAは大阪大学、平野賢一博士から供与を受け、AIMカセットにそれぞれ組み込み、トランスジェニックマウス作製のための人工遺伝子を準備した。 今後、これらの人工遺伝子をマウス受精卵にマイクロインジェクション法で導入し、トランスジェニックマウスを作製し解析を進めていく。
|