研究課題/領域番号 |
18590987
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小室 竜太郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40403183)
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研究分担者 |
船橋 徹 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (60243234)
前田 和久 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60397750)
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キーワード | 脂肪組織 / 脂肪細胞 / RhoA / Rho-kinase / 肥満 / インスリン抵抗性 |
研究概要 |
(動物実験) 1.活性型RhoGTPasesの組織分布 RhoA活性は、マウスの定常状態では他組織に比較して脂肪組織で最も高いが、今回Rac1、Cdc42についても検討し、RhoA同様にそれらの活性は脂肪組織で最も高いことが分かった。 2.活性型RhoGTPasesの摂食条件による変化 C57BL/6Jとdb/dbに対し絶食/再摂食負荷を実施し、脂肪組織RhoGTPasesの活性変化を評価した結果、C57BL/6JではRhoA活性は絶食で低下し、再摂食で上昇したが、Rac1とCdc42の活性は絶食/再摂食で変化しないこと、db/dbではRhoA活性は絶食/再摂食で変化せず、絶食/再摂食のいずれの条件でも恒常的に高いことも分かった。RhoAの直接標的Rho-kinaseの活性はRhoAと同様の結果だった。db/dbでもRac1とCdc42の活性は絶食/再摂食によって変化せず、C57BL/6Jとの比較でも活性に差がなかった。 3.Rho-kinase阻害薬の糖代謝への影響 上記マウスに対し1〜2ヶ月間、Rho-kinase阻害薬を連日、腹腔内に投与した結果、C57BL/6J、db/dbともにRho-kinase阻害薬投与群で糖負荷・インスリン負荷試験試験において血糖値が有意に改善することが判明した。血中アディポネクチン濃度はRho-kinase阻害薬投与群で上昇傾向が認められた。 (細胞実験) 1.成熟脂肪細胞にRhoA活性上昇をもたらす刺激の探索 糖代謝異常に関連するもの-グルコース、インスリン、脂肪酸、TNF-α、AngiotensinII、酸化ストレス、低酸素等-について検討し、脂肪細胞でRhoA活性上昇をもたらす因子を見出した。 2.成熟脂肪細胞に対するRho-kinase阻害薬の効果 成熟脂肪細胞では、Rho-kinase阻害薬単独添加による糖取込み上昇効果が判明した。
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