研究課題
基盤研究(C)
ヒトにおけるカルニチン欠乏症での低血糖症の発症メカニズムは明確でない。そこで全身カルニチン欠乏マウス(JVSマウス)を用い、死亡率の高い離乳期(生後14日目-28日目)に焦点を絞り、血糖値と脳内食欲関連ホルモン動態、胃内ラクトース、セルロース含量の関係を分析した。正常マウスでは、生存率は14日目、28日目共に100%で、低血糖はなかった。14日目に存在した胃内ラクトースは、17日目には減少しはじめ、代わりにセルロースが胃内に認められるようになり、その後セルロースが急激に増加した。JVSマウスでは生存率は14日目で77%で、19日より急に死亡するようになり、28日目では28%であった。19日以降は低血糖症を伴っていた。14日目に胃内に認めていたラクトースは17日目にはほとんど認めなかった。胃内にセルロースは14日より28日まで認められなかった。JVSマウスを生後からcarnitine-rich diet(0.3%)で飼育した場合、生存率は14日目で95%、28日目で92%であった。24日目以降に低血糖はなっかた。21日以降に胃内ラクトースとセルロースが増えた。視床下部のオレキシンのmRNAに発現はJVSマウスでは正常マウスと比較すると2週令では差がなかったが3週、4週では抑制されていた。carnitine-rich dietでは抑制が取れていた。結論として、カルニチン欠乏症に陥ると、離乳期に視床下部のオレキシンの発現が抑制を受け、固形食を摂取しないようになり低血糖で死亡する。
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Mol Cell Biochem (In press)