研究課題
基盤研究(C)
脂肪細胞初期分化に必須のグルココルチコイド標的遺伝子候補として、すでにノックアウトマウスで報告されている転写因子CAAT/enhancer binding protein δ(C/EBPδ)について、ヒトのメタボリックシンドローム(MetS)やその構成因子との関連性を検討した。対象は市の健診を受診し、匿名で遺伝子解析を行うことに同意した172例(男性52例、女性120例,年齢40-79歳)。C/EBPδ遺伝子のSNPは9箇所報告されているが、主としてcSNPの7箇所を直接シークエンス法で解析した。なおこの7箇所にハプロタイプは認めなかった。このうちminor allele frequencyが0.05以上であったC394GのC/CとC/G(0.053)、C877T(rs15955)のC/CとC/T(0.11)との間にMetSの罹患率やその構成因子の陽性率に差があるかをχ^2検定で比較した。C877TでのC/TがC/Cに比し脂質代謝異常(TG≧150 and/or HDL-C<40)と空腹時血糖高値(≧110mg/dl)の陽性率が有意に高かった(各々P=0.009,P=0.041)。さらにlogistic回帰による多変量解析でC394GのC/Gは血圧高値(収縮期血圧≧130 and/or拡張期血圧≧85)の、C877TのC/Tは空腹時血糖高値、脂質代謝異常の独立した寄与因子であった。以上よりC/EBPδのSNPはヒトにおいてMetSの構成因子である血圧、糖・脂質代謝に影響しうると考えられた。その機序については今後の検討が必要である。
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