研究課題
基盤研究(C)
グルココルチコイド(GC)が脂肪細胞分化誘導にきわめて重要であることから、培養3T3-Ll脂肪細胞分化初期にGCを含む分化刺激でmRNA発現が増加することが報告されている分子群のうち、ヒトにも存在し、遺伝子上流にGC応答配列を含むCTGF、emerin calpain 1が脂肪細胞初期文化に必須かどうかを検討した。これらの遺伝子発現を各々RNAiの手法でノックデウンしたが脂肪細胞への分化を阻止できず、これらは少なくとも単独では脂肪細胞初期分化に必須ではないと考えられた。次にGCで脂肪細胞分化初期に増加する因子で、すでにノックアウト動物でも内臓肥満に関わることが示されているCCAAT/enhancer binding protein δの遺伝子多型がヒトのメタボリックシンドローム(MetS)と関連するかを172例の健診受診者に同意を得て検討した。その結果SNP rs15955のC/T型でMetSの脂質代謝異常と耐糖能異常の頻度が高いことが初めて明らかとなった。さらにストレスによるGCの増加で脂肪組織のNeuropeptide Y(NPY),NPYタイプ2受容体(NPY2R)が内臓肥満を促進することが報告され、中枢での食欲亢進作用のみならず末梢の脂肪組織での作用が新たに注目されるようになった。そこで、日本でマイナーアレル頻度の高いNPY2R遺伝子転写調節領域の2つのSNPに注目し、健診受診者317例でMetS(IDFアジア基準)との関連解析を行ったところ、SNP rs6857715のTT型でMetSおよび耐糖能異常の頻度が高くなること、SNPrs6857530のAA型での耐糖能異常の頻度が高くなることが明らかとなった。今後これらのSNPを含む遺伝子転写調節領域の機能解析を行うことで、予防法や創薬の開発へとつなげたい。
すべて 2008 2007 2006
すべて 雑誌論文 (28件) (うち査読あり 15件) 学会発表 (17件) 図書 (6件)
Metabolic Syndrome and Related Disorders 6
ページ: 24-31
FEBS Lett 582(5)
ページ: 573-578
Hormone Research 69
ページ: 165-171
Life Sciences 82
ページ: 460-466
Molecular and Cellular Endocrinology 280
ページ: 20-29
Molecular and Cellular Endocri nology 280
Biochem Biophys ResCommun 364
ページ: 1037-1042
Internal Medicine 46
ページ: 1577-1583
Endocrine Journal 54
ページ: 239-245
日本内分泌学会雑誌 83
ページ: 158-160
ページ: 174-177
Disaster Management & Response 5・1
ページ: 8-13
Regulatory Peptides 138
ページ: 141-144
Gastroenterology 132-3
ページ: 938-943
Biochem Biophys Res Commun 364
Disaster Management & Response 5(1)
Endocrine Journal 53
ページ: 819-827
Internal Medicine 45
ページ: 265-269