研究概要 |
近年、内因性カンナビノイドと肥満の関連が明らかにされている。特にカンナビノイド受容体CB1拮抗薬rimonabantは、抗肥満薬として欧米では前臨床段階にある。インスリン抵抗性に特徴的な脂質代謝異常である血中脂肪酸増加は、カンナビノイドの分解酵素のfatty acid amide hydrolase(EAAH)の活性を阻害し、カンナビノイドの濃度増加を引き起こす。カンナビノイドの中枢作用、肝臓、脂肪組織で作用の報告はこれまでにいくつかあるが、膵β細胞での作用に関する報告はない。我々はFAAHの阻害作用を有するN-arachidonylglycineが、膵β細胞のレベルで[Ca^<2+>]iのオシレーションを増強することでグルコース応答インスリン分泌を影響することを報告している(lkeda Y,NakataMetal.BBRC333;778-786,2005)。膵島、膵α、β細胞にCB1が発現しており、インスリン分泌を抑制することを見出した。今後、カンナビノイドの膵αβ細胞内情報伝達系を解明し、さらにカンナビノイドの産生系について、特に肥満モデル動物を用いて検討する。
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