研究課題/領域番号 |
18591008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
加来 浩平 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10116709)
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研究分担者 |
小谷 光 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10388928)
柱本 満 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40346680)
下田 将司 川崎医科大学, 医学部, 助教 (60388957)
菅田 有紀子 川崎医科大学, 医学部, 助教 (40351895)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | db遺伝子 / 膵β細胞機能不全 / LCM法 / 食事介入 / ピオグリタゾン / 酸化ストレス / 膵β細胞量 / 膵β細胞機能保護 |
研究概要 |
本研究は2型糖尿病の発症機構解明のため、自然発症肥満2型糖尿病モデルであるdb/dbマウスを用いて、膵β細胞機能不全の機構の解明を試みた。膵ラ氏島の組織学的、生理生化学的検討とともに膵β細胞選択的な遺伝子発現プロファイリングを行うことによって機能悪化の分子機構について解析を行った。また食事介入、薬剤介入により機能改善をはかり、その際の分子機構の解明を試みた。その結果、db/dbマウスでは、6週齢以降、著明な体重増加、血糖値上昇、高インスリン血症を認め、10週齢以降はインスリンの代償機転が十分に機能せず、顕著な高血糖を呈した。また膵ラ氏島組織は18週齢では繊維化が進み膵β細胞量の明らかな減少を伴う著明な萎縮を認めた。介入マウスでは、このような組織学変化は明らかに抑制され、免疫組織学的検索でもインスリン分泌細胞は有意に保存された。また血糖値も非投与動物と比べて明らかに改善されるとともに、高インスリン血症の改善をみた。食事介入、薬剤介入による膵ラ氏島機能保護効果の機構を明らかにするため10週齢から12週齢の2週間介入し、生化学マーカーの変動とともにLCM法を用いた膵ラ氏島選択的な遺伝子発現プロファイル解析をおこなった。その結果、食事介入による膵β細胞機能保護の分子機構として、抗酸化ストレスを介するアポトーシス抑制が示唆された。一方、ピオグリタゾンについては、PPARγアゴニストとしての直接効果に加えて、糖脂肪毒性改善を介する間接的効果によって膵β細胞機能保護に働くことが強く示唆された。
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