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2008 年度 実績報告書

新規LC-MS/MSイソプロスタン測定法の開発と陰性荷電変性LDL産生機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18591009
研究機関福岡大学

研究代表者

瀬川 波子  福岡大学, 医学部, 助教 (80352251)

研究分担者 朔 啓二郎  福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
吉永 一彦  福岡大学, 医学部, 講師 (80122761)
松本 直通  福岡大学, 医学部, 助教 (20412603)
キーワード血漿リポ蛋白 / 陰性荷電変性LDL / キャピラリー等速電気泳動法 / 小型化LDL分画 / 超遠心によるリポ蛋白分画 / 中性脂肪リッチリポ蛋白 / very-fast-migrating LDL (vfLDL) / 脂質異常症
研究概要

酸化LDL、糖化LDL及び小型化LDLは陰性荷電が増加する共通の特性がある。ヒト血漿LDLはキャピラリー等速電気泳動(capillary isotachophoresis, cITP)法により、2っ電気泳動移動度の異なる亜分画に分離される。移動度の遅いLDL亜分画(slow-migrating LDL, sLDL)は正常なLDLで、移動度の早いLDL亜分画(fast-migrating LDL, fLDL)は陰性荷電変性LDLである。このことは、LDLがマイルドに酸化される時に、sLDL亜分画はfLDL亜分画に変化することで証明された。前年度、私達は、fLDLは炎症マーカー及び動脈硬化性リボ蛋白RLP-C (Remnant-Like Particle-Cholesterol)と関係することを示した。最近、私達はLDLが中程度に酸化される場合にfLDL亜分画はより電気泳動移動度の早い分画に変化することを発見し、この新しい酸化LDL亜分画をvfLDL (very-fast-migrating LDL)と命名した。今年度は、vfLDLはヒト血漿リボ蛋白の亜分画として存在するか、脂質異常症患者で増加するか、fLDLとの関係、また、LDL受容体によって代謝されるかを検討した。
1) vfLDL亜分画は、ヒト血漿中の中性脂肪リッチリポ蛋白(TRL)亜分画の一つであるsTRL (slow-migrating LDL)と同じ電気泳動移動度を有する。そのため、従来全血漿を使うリボ蛋白分析法では、vfLDLの分析ができない。従って、TRL除去血漿(d>1.006 g/ml血漿)分画を分離する定量超遠心法を用い、vfLDL亜分画測定法を開発した。
2) 心臓病危険因子を有する高コレステロール血症患者において、vfLDL亜分画が存在し、トータルLDLで占める割合は約8%だった。また、vfLDLは、主にsmall, dense LDL分画に存在することも示した。
3) vfLDL亜分画値は、fLDL亜分画値との間に強い相関があり、両方ともLDLのサイズと負に相関し、TG値及びRLP-C濃度と正に相関した。また、Rosuvastatin投与により、vfLDLとfLDL亜分画値は、両方とも有意に低下した。このことは、vfLDLはfLDLと同様にLDL受容体によって代謝されることが示唆された。陰性荷電LDLと正常LDLとの代謝様式の違いはこれから検討する課題とした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of ROSuvastatin on electronegative LDL as characterized by CapillARY isotachophoresis : The ROSARY study.2009

    • 著者名/発表者名
      Zhang B., et al.
    • 雑誌名

      Journal of Lipid Research (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reduction of charge-modified LDL by statin therapy in patients with CHD or CHD risk factors and elevated LDL-C levels : The SPECIAL study2008

    • 著者名/発表者名
      Zhang B., et al.
    • 雑誌名

      Atherosclerosis 201

      ページ: 353-9

    • 査読あり
  • [学会発表] HDL-Raising Efficacy and the Effects of ROSuvastatin on Small, Dense Electronegative LDL as Characterized by CapillARY Isotachophoresis : The ROSARY study2009

    • 著者名/発表者名
      Zhang B., et al.
    • 学会等名
      第73回日本循環器学会総会・学術集会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-03-22

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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