研究課題
基盤研究(C)
【目的】近年、動脈硬化に伴う虚血病変に対する血管新生療法が注目されている。しかしながら、全トランス型レチノイン酸(ATRA)の血管新生に対する効果は、未だコンセンサスか得られていない。今回我々は、ATRAの血管新生に対する効果を明らかにするとともに、そのメカニズムを解明することを目的として、以下の検討を行った。【方法】血管新生はヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)と臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)の共培養系における管腔形成にて評価した。共培養系およびNHDFまたはHUVECの単独培養系の上清をELISAに供して血管内皮増殖因子(VEGF)を測定した。NHDFまたはHUVECの単独培養系からRNAを抽出して定量PCRを施行し、VEGFおよび2型VEGF受容体(KDR)の発現量を検討した。【結果】ATRAは濃度依存的に管腔形成を促進した。レチノイン酸受容体(RAR)アゴニストであるAm80もATRA同様に管腔形成を促進した。その一方で、RAR pan-アンタゴニストであるLE540はATRA依存性の管腔形成を抑制した。ATRA投与による管腔形成促進作用は、VEGF中和抗体またはKDR中和抗体の添加により抑制された。ATRA投与により、共培養系およびNHDFの上清中のVEGF分泌増加およびNHDFにおけるVEGF mRNAの発現充進が認められた。また、ATRA投与によりHUVECにおけるKDR mRNAの発現充進が認められた。【考察】本研究結果から、ATRAがRARを介して血管新生を促進することが明らかとなったが、その機序として、ATRAがNHDFにおけるVEGFの発現およびHUVECにおけるKDRの発現を誘導することが考えられた。ATRAが動脈硬化性病変患者に対する冶療的血管再生療法に有用である可能性が示唆された。
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Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry Jan 19(Epub ahead of print)
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