研究課題/領域番号 |
18591028
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡部 泰二郎 九州大学, 大学病院, 助教 (40264030)
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研究分担者 |
柳瀬 敏彦 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30239818)
野村 政壽 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (30315080)
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キーワード | 移植・再生医療 / 遺伝子 / 再生医学 / シグナル伝達 / 発生・分化 / 副腎 / 間葉系幹細胞 |
研究概要 |
われわれは、骨髄間葉系幹細胞に近い性格をもっと考えられるマウス骨髄由来の細胞にAd4BP/SF-1遺伝子導入を行い、ACTH反応性のステロイド産生細胞の誘導に成功した(Gondo et. al. Genes Cells 9:1239-1247、2004)。 そこで、commercial baseで販売されているヒトの骨髄間葉系幹細胞を用いて同様な実験を行ったところ、マウス同様、各種ステロイド合成酵素の発現誘導ならびにステロイド産生の誘導が認められた。また、ヒトにおいてはマウスと比較してACTH受容体ならびにLH受容体の発現誘導に伴うACTHならびにLH反応性の獲得が顕著であった。 次に、骨髄細胞へのAd4BP/SF-1畦遺伝子導入前後での遺伝子発現の変化をDNAチップで解析した結果、マウスならびにヒトにおいてともに発現誘導が認められる遺伝子が複数みつかった。それらの遺伝子発現をsiRNAならびにShRNAを用いたRNAiによりノックダウンすることにより、骨髄間葉系幹細胞へのAd4BP/SF-1遺伝子導入によるステロイド産生細胞への誘導系への影響を検討した結果、ステロイド合成酵素ならびにステロイド産生ともに再現性よく影響を与える遺伝子がみつかった。そのうち、2つのものに注目して実験を行っているが、ひとつは機能が全く不明な未知のもので、もうひとつは既知の可溶性因子であった。 全く未知のものはステロイド産生細胞の分化・誘導に関与する可能性のある新規の因子の可能性をもっており、また、既知の可溶性因子は精製蛋白を用いた実験系が可能となるため、ともに大変興味深いと考えられる。
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