研究課題/領域番号 |
18591029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
野村 政壽 九州大学, 大学病院, 助手 (30315080)
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研究分担者 |
柳瀬 敏彦 九州大学, 大学院医学研究院, 助教授 (30239818)
岡部 泰二郎 九州大学, 大学病院, 助手 (40264030)
中村 雅史 九州大学, 大学院医学研究院, 助教授 (30372741)
大江 賢治 九州大学, 大学病院, 助手 (30419527)
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キーワード | 癌 / シグナル伝達 / ヘッジホッグ / Smad / 前立腺 / アクチビン |
研究概要 |
本研究の目的は前立腺癌の増殖・転移の分子基盤を、アクチビンシグナルおよびHedgehogシグナルの機能を中心にジェノグラフトモデルならびにトランスジェニックマウスの解析を通して明らかにすることである。 I)アンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株ALVA41を用いた研究成果 活性型アクチビン受容体強発現株(ALVA-ActRIB)を樹立し、親株であるALVA41と比較検討を行った。In vitroでの増殖速度、形態に変化は見られなかったが、Migration assayを行うとALVA-ActRIB株でメッシュを通過する細胞数が有意に増加していた。そこでこの2種類の細胞株を用いてマイクロアレイを行い、遺伝子発現の変化を比較した。その結果、Sonic hedgehog(Shh)の発現が約3倍に増加していることを明らかにした.Shhは癌の臨床的悪性度(転移浸潤)と相関することが示されており、Migration assayの結果をShhの発現亢進が説明し得る。 II)Xenograftモデルを用いた研究成果 Iでの結果を受け、In vivoでのアクチビン受容体発現の役割を明らかにするため、ヌードマウスの背部皮下にALVA41とALVA-ActRIBを接種し腫瘍形成を行った。ALVA-ActRIBによるGenograftモデルでは、腫瘍の増殖が著明に抑制され、病理学的にスキルス癌に変化しリンパ節転移も見られた。すなわち生物学的悪性度が増していた。腫瘍組織を用いて1同様にマイクロアレイを行うとShhの発現がやはり3倍上昇していた。 III)トランスジェニックマウスを用いた研究経過 Cre蛋白発現アデノウイルスを4週令ActRIBトランスジェニックマウス(ActRIBLoxTG)の前立腺に感染させ、前立腺癌の発生に及ぼす影響を検討中である。
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