研究課題/領域番号 |
18591048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
古川 達雄 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (00272849)
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研究分担者 |
高橋 益廣 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90179531)
増子 正義 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70397115)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | SEREX / 骨髄不全 / Zinc Finger Motif / ZNF292 / 白血病細胞株 |
研究概要 |
1.ZNF292遺伝子配列の解析 我々はSEREX法を用いて再生不良性貧血(AA)症例血清中抗体を検索したところ、患者血清抗体反応蛋白をコードしている遺伝子としてZNF292(KIAA0530}が同定された。ZNF292cDNAは全長10610bpで、8エクソンで構成され、第8エクソンは約9kbであった(NM_015021.1(2008.2.11更新)と同一)。この蛋白はC2H2タイプのZn-finger蛋白で、機能的には成長ホルモン遺伝子発現に重要な転写因子と報告された。この遺伝子発現の組織分布をNorthern Blot解析で調べたところ、胎盤、睾丸、前立腺、甲状腺で強い発現が認められた。造血組織ではRT-PCRでリンパ球中CD8>CD19>CD4=CD56と発現量に相違が示唆された。白血病細胞株では系統特異性はなく、検索したすべての細胞株で検出された。次にStealth Select RNAi ZNF292 setによる発現阻害実験を試みたが、浮遊細胞への導入効率が低く、ZNF292RNAi導入細胞によるZNF292発現阻害は確認できなかった。 2. ZNF292の免疫原性・CTL誘導能の解析 この蛋白の抗体はAA25例中7例で検出。特にHLA DRB1*1501陽性AA9症例中5例に検出され、DRB1陰性11例中1例との有意差を認めた。またこの抗体は一部の白血病患者血清中にも検出され、さらに担癌患者でも報告されていた。一方ZNF292蛋白配列のHLA A2402結合motif中で最もaffinityが強いと考えられたpeptideを用いて、健常人末梢血からCTL line作製を試みたが、健常人からは反応するCTL lineを作製できなかった。これらの結果から、液性免疫を誘導することは確認できたが、細胞性免疫のターゲットになることは確認できなかった。
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