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2007 年度 実績報告書

血小板上受容体型チロシンフォスファターゼRPTPベータ:ピロリ菌関連疾患との関係

研究課題

研究課題/領域番号 18591051
研究機関山梨大学

研究代表者

尾崎 由基男  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30134539)

研究分担者 井上 克枝  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (10324211)
佐藤 金夫  山梨大学, 医学部, 助手 (20242662)
キーワード血小板 / VacA / Git1
研究概要

ヘリコバクターピロリは、胃潰瘍・胃癌、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、虚血性心疾患に関与する細菌である。我々は、ピロリ菌の毒素であるVacAが血小板上RPTPbetaを介して、持続的に血小板の活性化を惹起することがこれらの疾患の一因になっているのではないか、という仮説を立てた。目標は、18年度にVacAがRPTPbetaを介して血小板を活性化していることを、RPTPbeta欠損マウスで証明することであり、19年度にその信号伝達系を明らかにすることである。
18年度にVacAがRPTPbetaを介して血小板の活性化を惹起している証拠は得られず、RPTPbeta欠損マウスの使用が不可能となったため、他の血小板上のVacA受容体を検討した。VacAビースに結合してくる血小板蛋白をMS/MS解析したところ、蛋白Xという血小板顆粒内に存在する巨大分子が得られた。その一部の配列のGST融合蛋白を作成し、ビアコアでVacAとの結合を確認した。現在結合部位の同定を試みている。他の細胞でRPTPbetaの下流でリン酸化されるGit1は、血小板をVacA刺激してもリン酸化の増強が認められなかったが、インテグリンからのoutside-in signalでリン酸化された。Git1の血小板での発現自体今まで報告されておらず、この分子の血小板における動態についても検討したところ、Git1は血小板で常にbetaPIXというRacを活性化する蛋白と結合しており、リン酸化されると、インテグリンに結合した。これより、Git1は血小板においては、インテグリンの近傍にRac活性化分子を引き寄せ、細胞骨格の再編成に何らかの影響を及ぼしていると考えられた。インテグリンからのoutside-in signalは血栓の安定化に重要であり、Git1が血栓症の発症や生理的な止血に何らかの役割を担っている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Regulation of adaptor protein GIT1 in platelets, leading to the interaction between GIT1 and integrin alpha(IIb)beta3.2008

    • 著者名/発表者名
      Sato H, Suzuki-Inoue K, Inoue O, Ozaki Y.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun. 368

      ページ: 157-61

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [学会発表] 血小板integrin αIIbβ3信号伝達系におけるARF-GAR, GIT1の役割2007

    • 著者名/発表者名
      佐藤一美、井上克枝、井上修、尾崎由基男
    • 学会等名
      題30回日本血栓止血学会学術集会
    • 発表場所
      賢島
    • 年月日
      2007-11-17
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] GIT1の血小板におけるインテグリンaIIbb3信号伝達系における役割2007

    • 著者名/発表者名
      佐藤一美、井上克枝、井上修、尾崎由基男
    • 学会等名
      第69回日本血液学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-10-11
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] G PROTEIN-COUPLED RECEPTOR KINASE-INTERACTING PROTEIN1(GIT1)IS TYROSINE-PHOSPHORYLATED DOWNSTREAM OF INTEGRIN ALPHA IIB BETA3 IN PLATELETS2007

    • 著者名/発表者名
      H. Sato, K. Suzuki-Inoue, O. Inoue, Y. Ozaki
    • 学会等名
      XXIst Congress of the International Society on Thrombosis and Haemostasis
    • 発表場所
      Geneva
    • 年月日
      2007-07-11

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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