研究課題
基盤研究(C)
平成18年度は主に以下の3点について検討した;1)ビスフォスフォネート製剤(BPs)の直接的抗腫瘍効果、2)BPsの免疫活性化作用、3)破骨細胞破壊による栄養源の遮断効果。1)において、BPsは白血病だけでなく骨肉腫(Br J Cancer 2006)や膀胱がん(Br J Cancer 2006)に対してもRas関連蛋白の不活化による直接的な抗腫瘍作用を示すことを明らかにした。骨肉腫は他のがん細胞よりBPsに対する感受性が高く、また膀胱がんに対してはBPsの膀胱内局所投与がきわめて有効であった。また今後BPsとの併用が期待されるABL阻害剤メシル酸イマチニブやINNO-406の抗白血病作用についても検討し、Bc1-2阻害剤ABT737がメシル酸イマチニブの効果を増強すること(PNAS 2006)、INNO-406はin vivoにおいてもほとんどの変異ABLに有効であり(Leuk Res 2006)、中枢神経白血病にも有効(Blood 2006)であることを報告した。2)ではBPsによって誘導され殺細胞効果を示すγδT細胞は、がん細胞(多発性骨髄腫細胞株)上のICAM-1(BBRC 2007)やイソペンテニルピロリン酸を認識することを明らかとした。3)ではBPsより特異的に破骨細胞の分化を阻害するリベロマイシンAで前処理したマウスでは、移植された白血病細胞の生着・増殖が阻害されることを明らかとし、BPsによる破骨細胞阻害が抗白血病作用を有することが示唆された。
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