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2006 年度 実績報告書

宿主抗原提示細胞を介するGVLを保持したGVHD制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18591062
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

前田 嘉信  岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60403474)

研究分担者 谷本 光音  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10240805)
キーワード移植片対宿主病
研究概要

宿主抗原提示細胞からのアロ抗原提示によってドナーリンパ球の急漱な増抑と、それに続く体内でのサイトカインの急激な上昇により、移植片対宿主病(GVHD)が発症する。GVL効果を保持したGVHD制御には、この急激なドナーリンパ球の増殖を抑えることが重要であると考えられる。我々は、リンパ球が減少したSCIDあるいは放射線後のマウスの体内でホメオスターシス増殖したLymphopenia induced proliferation(LIP)T細胞のin vitroでの特性を検討した。LIP T細胞は、フローサイトメトリーでの解析の結果、CD44 highのmemory T細胞の表面抗原マーカーを示し、アロ標的細胞に対するCTL活性は緋持されており、GVL効果が保持されていると考えられた。一方、LIP T細胞は、アロ刺撒による細胞増殖能が抑制されていることがリンパ球混合試験で明らかとなった。従って、LIP T細胞は、体内においても宿主抗原提示細胞からのアロ抗原捉示によるリンパ球の急激な増殖が抑えられていると仮定し実験を行った。結果、マウスin vivoでLIP T細胞は、増殖が抑えられサイトカイン鍾生が低く、GVHD誘導能が低いことが明らかとなった。Regulatory T細胞も、リンパ球が減少したSCIDあるいは放射線後のマウスの体内でホメオスターシス増殖したLIP T細胞のなかに存在すると考えられるが、定常状態のマウスとCD25+CD4+陽性細胞の比率に有意差は無かった。LIP T細胞からCD25+CD4+陽性細胞を除去したT細胞で、同様にGVHD誘導能の実験を施行したところ、再びGVHD誘導能が低いことが明らかなり、LIP T細胞によるGVHD制御はRegulatorv T細胞のよるものではなく、増加したmemory様のT細胞によるためと考えられた。実際に、LIP T細胞からCD44 highとCD44 lowの分画に分けた喝合、後者にくらべ前者にGVHD制御能があることが明らかとなった。以上から、LIP T細胞は、GVL効果を保持したGVHD制御につながると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Lymphopenia-induced proliferation of donor T cells reduces their capacity for causing acute graft-versus-host disease2007

    • 著者名/発表者名
      Maeda Y, Tawara I, Teshima T. et al.
    • 雑誌名

      Exp Hematol 35

      ページ: 274-86

  • [雑誌論文] Predominant infiltration of monocytes in chronic graft-versus-host disease.2007

    • 著者名/発表者名
      Namba N, Shinagawa K, Fujii N, Mada Y. et al.
    • 雑誌名

      Transplantation 83

      ページ: 220-4

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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