研究課題/領域番号 |
18591068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
窪田 良次 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (90178054)
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研究分担者 |
北中 明 香川大学, 医学部, 助手 (70343308)
大西 宏明 香川大学, 医学部, 講師 (90223891)
田中 輝和 香川大学, 医学部, 教授 (20155146)
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キーワード | Cb1 / ユビキチン / Src / シグナル伝達 / 白血病 / エリスロポエチン / PI3-kinase |
研究概要 |
本研究の目的は、Cb1遺伝子によるユビキチン・プロテアソームシステムを介したPI3-kinase(PI3K)シグナル伝達経路の負の制御機構を明らかにすることである。今年度は、ヒト赤白血病細胞F-36P細胞を用いて、Cb1の細胞増殖・生存に及ぼす影響について明らかにするとともに、SrcによるCb1のユビキチンリガーゼ活性の制御機構について解析した。 1、Cb1の細胞増殖・生存に及ぼす影響 Cb1に対するsiRNAを恒常的に発現するF-36P-siCb1細胞を樹立し、エリスロポエチン(EPO)存在下および非存在下における細胞増殖・生存について、WST-1を用いて解析した。その結果、F-36P-siCb1細胞は、コントロール細胞に比べ、低濃度のEPO存在下において有意に増殖した。 2、Cb1のユビキチンリガーゼ活性の制御機構 (1)F-36P細胞では、EPO刺激によるCb1のチロシンリン酸化が、Srcキナーゼ阻害剤PP1により阻害されたが、Jakキナーゼ阻害剤AG490では阻害されなかった。Dominant-negative Srcを発現させたF-36P細胞では、EPO刺激によるCb1のチロシンリン酸化が見られなかった。COS7細胞を用いた共発現により、Jak2ではなくSrcが、Cb1をチロシンリン酸化した。 (2)EPO刺激によるp85(PI3Kの調節サブユニット)の結合部位であるCb1-Y731のリン酸化は、AG490ではなく、PP1により阻害された。また、COS7細胞を用いた共発現により、Srcは、Cb1-Y731をチロシンリン酸化した。F-36P細胞では、EPO刺激後Cb1はp85と会合した。 これらの結果より、EPO受容体を介するシグナル伝達において、SrcがCb1-Y731をリン酸化することにより、PI3Kと会合し、PI3K/Aktを介するシグナル伝達を調節している。
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