研究課題/領域番号 |
18591081
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
中熊 秀喜 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90207746)
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研究分担者 |
園木 孝志 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (30382336)
川口 辰哉 熊本大学, 医学部附属病院, 准教授 (50244116)
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キーワード | 発作性夜間血色素尿症 / 特発性造血障害 / NKG2Dリガンド / ストレス蛋白 / ULBP |
研究概要 |
発作性夜間血色素尿症(PNH)や再生不良性貧血(AA)などのいわゆる骨髄不全症候群(BFS)の患者の発生は日本に比較的多い。BFS患者の特徴である特発性造血障害(造血不全)は致死的であるが免疫抑制療法が奏効することなどから、その発生には免疫介在性造血細胞傷害の関与が予想されている。しかし、詳細な分子病態は不明である。我々はこれまでに、一部のPNHとAAの患者の顆粒球や骨髄CD34陽性細胞にULBPとMICA/Bなどのストレス誘導型蛋白(NKG2Dリガンド)が病的発現していることや、これらのストレス蛋白を発現する顆粒球が自己リンパ球により傷害を受けることを見出している(Blood 2006)。そこで、本研究においてAA-PNH症候群3例およびAA2例の1〜5年間の臨床経過の前方視的解析を行ったところ、NKG2D介在性細胞傷害を誘発するストレス蛋白が血球膜に発現、この発現に連動した造血障害が見られ、またその発現が免疫抑制療法の造血改善効果とも密接に関連していた。以上の研究結果から、これらのストレス蛋白発現を狙ってNKG2D介在性免疫が生体内で発動し、この免疫により造血不全が発生している可能性がでてきた。
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