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2009 年度 実績報告書

白血病関連転写因子TELのES細胞を用いた機能解析と新規結合蛋白の同定

研究課題

研究課題/領域番号 18591085
研究機関愛媛大学

研究代表者

江口 真理子  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (40420781)

キーワードTEL / ETV6 / ES細胞 / 造血細胞分化 / TEL-TRKC
研究概要

転写因子TELおよびTEL融合遺伝子が造血細胞の分化・増殖に与える影響についてマウスES細胞の系を用いて検討を行った。TEL遺伝子異常による小児白血病発症機構を理解するために、EGFPでN末を標識したTELを、Chicken β-actin (CAG) promoter下に発現するマウスES細胞を作製した。このES細胞が造血細胞へ分化する過程を詳細に検討し、TELの過剰発現が造血細胞の分化・増殖に与える影響について検討を行った。TELを高発現するマウスES細胞は、分化開始6、7日後に認められる造血幹細胞の集団であると思われるTie2^+/c-kit^<high>の細胞群が減少しているとともに、c-kitの発現が低く、より未分化なTie2^+/c-kit^<low>の細胞群が増加していた。マウスES細胞の血液分化系において、TELは細胞の未分化性を維持するとともに、血液前駆細胞を増加させる働きを有する可能性が示唆された。また腫瘍特異的融合遺伝子であるTEL-TRKCを発現するマウスES細胞を作製し、同様の解析を行った。TEL-TRKC融合遺伝子を発現するES細胞では、分化開始6、7日後に認められるTie2^+/c-kit^<high>の細胞群が減少していたと同時に、より未分化なTie2^+/c-kit^<low>の細胞群が増加していた。これは、TELを高発現するES細胞と同様な変化であるが、TEL-TRKCを発現するES細胞で、その変化はより顕著であった。この現象が引き起こされるメカニズムに関しては現在不明であり、今後の検討が必要であるが、TEL exon 5を含まないTEL-TREKCでは認められない現象であり、TEL exon 5の関与が重要であると考えられた。また、この細胞群がTEL-TRKC融合遺伝子を有する腫瘍の幹細胞となっている可能性が考えられ、この点に関しても腫瘍化モデルを含めた今後の検討が必要である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Leukemia-related transcription factor TEL/ETV6 expands erythroid precursors and stimulates hemoglobin synthesis2009

    • 著者名/発表者名
      江口真理子, et al
    • 雑誌名

      Cancer Science 100(4)

      ページ: 689-697

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 特集 小児疾患における臨床遺伝学の進歩 各論III.話題の疾患遺伝子乳児白血病2009

    • 著者名/発表者名
      江口真理子, 他
    • 雑誌名

      小児科 50巻7号

      ページ: 1093-1099

  • [学会発表] Suppression of let-7b microRNA and enhanced its target genes in infant acute lymphoblastic leukemia with MLL gene rearrangements2009

    • 著者名/発表者名
      西真範, 他
    • 学会等名
      第51回米国血液学会総会
    • 発表場所
      New Oleans(USA)
    • 年月日
      2009-12-05
  • [学会発表] インターフェロンγの投与が有効であったX-linked 慢性肉芽腫症の年長女児例2009

    • 著者名/発表者名
      河上早苗, 他
    • 学会等名
      第51回日本小児血液学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-11-29
  • [学会発表] t(1;12)(q21;p13)を伴ったT細胞性急性リンパ性白血病におけるキメラ遺伝子解析2009

    • 著者名/発表者名
      大坪慶輔, 他
    • 学会等名
      第51回日本小児血液学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-11-27
  • [学会発表] Role of miRNA and its target genes in the pathogenesis of infant leukemia2009

    • 著者名/発表者名
      西真範, 他
    • 学会等名
      第71回日本血液学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-10-25
  • [学会発表] HDR症候群に認められたGATA3遺伝子の新規変異とその機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      江口真理子, 他
    • 学会等名
      第54回日本人類遺伝学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-09-24
  • [学会発表] 無呼吸発作を契機に発見されたHDR症候群の一例2009

    • 著者名/発表者名
      太田雅明, 他
    • 学会等名
      第112回日本小児科学会総会
    • 発表場所
      奈良
    • 年月日
      2009-04-18

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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