研究課題/領域番号 |
18591101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
本田 善一郎 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70238814)
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研究分担者 |
土屋 尚行 筑波大学, 人総合科学研究科, 教授 (60231437)
本田 浩章 広島大学, 原爆放射線医学研究所, 教授 (40245064)
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キーワード | FcγRIIA / FcγRIIA / 多型 / SLE / 膜貫通部位 |
研究概要 |
FcγRIIA受容体(活性型Fc受容体)の膜貫通部位に2種類のモチーフ(グリコフォリンA及びロイシンジッパー)を想定し、変異導入、ヒトB細胞発現、Fc受容体機能解析をおこなったが、意外にも、いずれのモチーフもFc受容体機能と関係しないことがわかった。形質膜内での受容体の会合面残基を特定するための、バイアスの無い方法としてCys dimer及びAla tetramerの系統的導入をおこない解析したところ、膜貫通部位のN末端側に会合面残基が見いだされた。同部位のAla置換体は脂質ラフト移行が阻害され、Lyn活性化、Btk及びPLCγ活性化、カルシウム流入に至る経路が有意に現弱ることがわかった。すなわち、膜貫通部位のN末端部位が受容体会合と機能活性化をつなぐ新規の機能部位であることを初めて示した。現在、同会合面の接合を阻害することにより炎症疾患治療が可能ではないかと想定し、同部位に対するファージディスプレイを用いた一本差抗体の作成を考案している。FcγRIIB受容体(抑制型受容体)の膜貫通部位232Ile-Thr変異がSLEに関連し、同多型が機能減弱型受容体であることを示したが、その詳細な分子機構は解明されていない。上記のFcy RIIA受容体(活性型Fc受容体)に適用した手法を用いて、疾患感受性変異232Ile-Thrが受容体の会合面残基の変化をもたらす可能性を想定し、検討中である。
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