研究概要 |
1.FRP受容体(A7)の解析:萌芽研究でクローニングに成功したFRP受容体(A7)のC末端に,FLAGタグをコードするA7cDNAをdoxycycline(Dox)制御発現ベクターに組み入れたpTRE-Tight-A7を構築した.これを制御ベクターpTet-Onと共に滑膜細胞株SFー1に導入しTetOn-SF-1/A7を樹立した.このTetOn-SF-1/A7にDox,FRPおよび抗FLAG抗体Fabを添加し,FRPのシグナル伝達の効果としてc-Fosの発現を定量した.TetOn-SF-1/A7にDoxを添加すると,誘導A7のためFRPのc-Fos抑制作用が増強され,この増強は抗FLAG抗体Fabで阻害された.よってFRPのc-Fos抑制シグナルは主としてA7によって伝達されると考えた(投稿準備中).また、BIACOREを用いたA7とFRPの親和力解析では,Kd値が1-8×10-7Mと算出された. 2.セカンドメッセンジャーのクローニングFRPのシグナル伝達系の解明のため,セカンドメッセンジャーのクローニングを試みた.方法はA7と同様で,A7の細胞内ドメインをコードするA7N386をbaitとし,ヒト心臓由来のcDNAライブラリーをpreyとして,酵母のtwo-hybhd法を用いて行った.現在5つのクローン:SA240,SA263,SB224,SC21,SC23にしぼり込み解析を進めている.今後これらのtwo-hybhd反応を確認した後,塩基配列およびアミノ酸配列ホモロジー検索による同定を行い,ノザンプロッティング・RT-PCR等での発現解析,BIACOREによるKd値解析を進めていく予定である.
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