研究課題/領域番号 |
18591106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
臼井 崇 京都大学, 医学研究科, 助手 (90362483)
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研究分担者 |
西小森 隆太 京都大学, 医学研究科, 助手 (70359800)
若月 芳雄 京都大学, 医学研究科, 講師 (40220826)
三森 経世 京都大学, 医学研究科, 教授 (10157589)
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キーワード | 自己免疫疾患 / 関節リウマチ / TGF-beta / レトロウイルス / ヘルパーT細胞 |
研究概要 |
Ttype IIコラーゲンで免疫したマウスの所属リンパ節および脾臓から調整したCD4+ T細胞に、活性型TGF-beta、IL-17、Calpainおよび分泌型Calpastatin発現レトロウイルスを感染後、関節炎誘導後5-10日目に1回のみマウス腹腔内に細胞移入したところ、活性型TGF-beta群では関節炎の発症はほぼ完全に抑制された。IL-10発現CD4+ T細胞移入でも関節炎抑制効果を認めたが、活性型TGF-beta発現CD4+ T細胞移入に比べ、効果の持続性において劣っていた。また潜在型TGF-beta発現CD4+ T細胞移入によるCIA発症抑制効果は認められなかった。次にIL-17発現CD4+ T細胞移入群ではmock群と関節炎スコアに有意な差は認められなかった。さらにCalpainおよび分泌型Calpastatin発現CD4+ T細胞移入群では、Calpain群でやや関節炎の悪化を認める一方、分泌型Calpastatin群では関節炎抑制傾向が認められた。活性型TGF-beta遺伝子を導入による免疫制御作用機序をin-vitroで検討したところ、病原性が高いと考えられるコラーゲン特異的なTh1細胞に活性型TGF-betaを安定に発現させると、多量のIL-10を同時に産生することを見出した。この事は、抗原特異的なエフェクターTh1細胞に活性型TGF-beta遺伝子を導入することにより、抗原特異的な制御性Tr1細胞に強制的かつ永続的に変換できる可能性を示している。またIL-10は抗線維化作用があるため、本法で線維化が全く認められない理由の一つであると考えられた。次にウイルスベクターを用いない遺伝子導入方法としてAMAXA社電気穿孔法を用い、マウスprimary T細胞にも高率に遺伝子導入しうる事を確認した。次に遺伝子導入された細胞を磁気ビーズにより迅速に分別するため、レポーターとしてhCD4、mCD8、hCD20を導入し磁気ビーズによる効率的な遺伝子導入細胞分別も可能となった。次に体内から抗原特異的なT細胞を生きたまま効率良く分離するためCD40Lを用いる手法を確立しつつある。さらには患者保存血清を用いて、II型コラーゲンに対する抗体スクリーニングを開始し、約19%の陽性頻度との結果を得ており、RFやCCPなど他の自己抗体との関連・重症度等についてデータベースを作成している。
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