研究概要 |
RNAスプライシングにより生み出される"遺伝子の可塑性"に着目し、それがどのようにcaspas-8の遺伝子発現を変えてリンパ球の活性化を誘導し、SLEの疾患活動性に結びっくかについての検討を行った。この検討結果は第55回日本リウマチ学会のプレナリーセッションとシンポジウムに選ばれ、優秀演題賞を受賞した。この演題は2006年度の米国リウマチ国際会議(ACR Washington DC)にも採択されて発表を行ない、更には2006年度の日本免疫学会のoral presentationにも2年連続で採択され発表を行った。Caspaseは機能上アポトーシス誘導性caspase,炎症性caspaseに分類されるが、前者のなかでcaspase-6,-8,-10は免疫制御に関与する事実が最近報告されている。Caspase-8のfull activationはアポトーシスを誘導するがlimited activationはNFKB経路を介してリンパ球を活性化することが最近になり明らかになりつつあるがcaspase-8の活性化のinitiationがどのように行われるのか、limited activationがNFKB経路以外にどのようなシグナル伝達経路を動かすのか、など不明な部分が多い。本研究ではかかるcaspase-8を免疫制御分子として見直し、シグナル伝達経路を介したRNAスプライシング変化と全身性エリテマトーデス(SLE)における病態的意義の検討を行っており、上記学会での評価を斟酌すると本研究テーマは極めて独創性が高く、大きな学問的波及効果が期待されると考えられた。
|