研究課題
18年度に構築したライブラリーサイズ約1.0×10^8のヒトFab呈示ファージライブラリーより、H5N1抗原に特異的結合能を示すFabを発現する3クローン(1E5、2A6、3D11)を分離した。大腸菌を用いてそのクローンをFabとして大量に発現後精製した。同FabはH5N1ウイルスに対し弱い血球凝集阻止反応(HI)を示した(1:4)。HI活性を強く示す抗体が得られない理由としてはボランティアの抗体価が低かったこと、採取した血液量が少なかったことが考えられる。それを用いた中和試験を行う予定である。次に19年度にベトナム国立衛生疫学研究所の協力により新たにH5N1(cladeII)に感染し回復したボランティアより2週間おきに計2回の採血を行った。本ボランティア血清はH5N1 clade IウイルスにはHI活性を示さず、cladeIIウイルスに対してのみHI活性を示した(1:160)。新たにH5N1(cladeII)に対して中和能を有するFabを単離する事を企図して、供与血液よりリンパ球を分離し、そこからRNAを抽出し、ヒト抗体部分重鎖および軽鎖部分に特異的なプライマーを用いて、抗体遺伝子をRT-PCR法にて増幅し、ヒトFabライブラリーの再構築を行っている。
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