研究課題/領域番号 |
18591125
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
瀬田 範行 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40338372)
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研究分担者 |
桑名 正隆 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50245479)
高橋 勇人 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40398615)
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キーワード | 関節リウマチ / 単球 / 関節炎モデルマウス / 骨髄キメラ / アデノウイルスベクター |
研究概要 |
本研究では関節炎モデルマウスを用いて滑膜病変形成における末梢血CD14^+単球の役割を明らかにするために三つの課題を設けているが、本年度に検討した二つの課題に関して以下のような知見が得られた。 (1)関節炎モデルマウスを用いた造血幹細胞由来細胞の関節炎への関与の検討 ・血球系細胞のみがGFPで標識された骨髄キメラマウスの作製 放射線照射(12.5Gy)を施したC57BL/6Jマウス(野生型)にGFPトランスジェニックマウス(C57BL/6-Tg)の骨髄細胞を4×10^6個移植することで、移植一ヵ月後には末梢血中、脾臓、骨髄の血球系細胞の95%以上がGFPを発現する骨髄キメラマウスを作製できた。 ・関節炎モデルマウスの作製および関節炎の評価法の確立 関節炎自然発症モデルマウスのK/BxNの血清を野生型マウスや骨髄キメラマウスの腹腔に複数回投与することで、パンヌスや骨びらんを伴った関節リウマチ類似の慢性関節炎を誘導できた。また、関節スコアーの使用と足関節の厚みを測定で、関節炎の程度を理学的に評価する手法を確立した。 ・造血幹細胞由来細胞の関節炎への関与の検討 骨髄キメラマウスに誘導した関節炎の組織を検討することで、炎症に伴い出現した滑膜マクロファージと破骨細胞は末梢血中の造血幹細胞由来細胞であることが判明した。 (2)関節炎モデルマウスと可溶性M-CSFR発現アデノウイルスベクターを用いた造血幹細胞由来末梢血単球の関節炎への関与の検討 ・可溶性M-CSFR発現アデノウイルスの作製 M-CSFRの細胞外ドメインのみの遺伝子情報を組み込むことで、可溶性M-CSFR発現アデノウイルスを作製した。また、コントロールアデノウイルスとしてM-CSF結合部位が欠損した可溶性M-CSFRを発現するアデノウイルスも作製した。これらのウイルスを精製することで、マウスへの投与が可能な高純度のウイルスが得られた。
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