研究概要 |
(1)マウスにEMCVを感染後,IL-27遺伝子を導入,またはmock処理を行なった.これらマウスの脾臓とリンパ節から単核球分画を調整したのち、ウイルス感染させた同系マウスの細胞株をターゲットにしてクロムリリースアッセイを行ない,YAC-1細胞をもちいてNK活性を測定した。その結果IL-27遺伝子導入群では、顕著にNK活性が上昇していた。 (2)抗ウイルス作用におけるエフェクター細胞を同定するために、マウスに抗CD4抗体,抗CD8抗体,または抗アシアロGM1抗体を投与して治療実験を行った結果、いずれの抗体投与群でも、治療効果に変化はなく、IL-27が心筋細胞に直接作用して、抗ウイルス効果をもたらしていることが示唆された。 (3)胎生16日目のマウスより心臓を採取して、消化酵素で処理したのち、心筋細胞を5日間培養した。培養した心筋細胞をリコンビナントIL-27刺激し、20分後に細胞中のタンパクを回収し、STAT1、STAT3のリン酸化についてウェスタンブロッティングを行い検証した。その結果、STAT1、STAT3のリン酸化されることが示された。このことより培養心筋細胞はIL-27によってシグナルの入力によって行なわれることが明らかになった。
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