今回我々は共同研究者の実験上の都合により十分な数のマウスが得られずプロトコールを変更せざる得なかった。我々は以前ガレクチン-3がFcγRを介したマクロファージ(MΦ)の貪食能に重要な役割を果たしていることを示した。MΦはFcγRからの刺激で活性酸素を産生しで肺線維症において肺胞上皮障害などの重要な役割を持つ。そこで我々は野生型とガレクチン-3欠損マウスから骨髄由来MΦを培養して抗体を用いFcγRに刺激を加えたところ、ガレクチン-3欠損MΦでは野生型と比べ著明に活性酸素の産生が低下していた。またそのとき生じる細胞膜直下のf-actinのredistributionも同様に著明に低下していた。Western blottingを用いたところ、ガレクチン-3欠損MΦではFcγRのクロスリソク後の細胞内チロシンリン酸化が低下、FcγRに会合しているLynのリン酸化とその下流のJNK1の活性化が低下していることを見出した。それらの分子の会合がimmnoprecipitationでは明らかでなかったため細胞内局在を蛍光免疫染色とconfocal mincroscopyを用いて検討したところ、ガレクチン-3は細胞膜直下にredistributionしてきたf-actinと共局在していることが明らかになった。同部位には様々なシグナル伝達分子が集まっており細胞活性化との関連が疑われたがLynやJNK1の共局在は明らかでなかった。以上の結果からガレクチン-3が細胞内シグナル伝達昂介してマクロファージの活性化に閏わっていることが示唆された。
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