研究課題
基盤研究(C)
新規自然免疫因子Nod1およびNod2結合因子の単離同定Nod1およびNod2遺伝子の全長をbaitとして、yeast two hybrid法により、結合因子の同定を行った。Nod1に結合する因子は、インターロイキンやサイトカインなど、細胞内での感染防御機能に影響を与えることを示唆する群を同定した。さらに癌抑制遺伝子を同定した。この癌抑制遺伝子は、アポトーシス誘導や細胞老化の誘導に関与する遺伝子であり、多くの種類の腫瘍での欠損が報告され、特に乳癌での抗がん剤感受性に影響を与えることが報告されてきている。現在、種々の細胞株にNod1遺伝子と、同定した癌抑制遺伝子を発現させ、自然免疫能と腫瘍発育抑制能に相互に与える影響の解析を進めている段階であるが、抗癌剤に対する感受性に増強効果を示すデータが得られ始めている。Nod2に結合する因子は、大変興味深いことに、腸内環境恒常性の維持に関与し、クローン病発症関連因子として報告されているものが複数個同定できた。クローン病においてNod2と同様に変異が報告されている遺伝子も含まれており、Nod2との結合に影響を与える変異であるかの解析を進めている。他の因子についても同様に、細胞株にNod2と共発現させて、相互の機能に与える影響を解析している段階である。これらの知見は、Nod2が腸管においては細菌感染防御のみならず、恒常性維持の中心として機能している可能性を示した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
Journal of Gene Medicine 8
ページ: 1121
Biochimica Biophysica Acta 1762
ページ: 794