研究概要 |
(1) Nod2機能欠失型多型の同定と臨床応用 本邦で初めての、Nod2機能低下型変異と疾患発症のスクリーニングを行った。 (i) GVHD発症例におけるNod2変異の同定 GVHDでのgradeIII, IVの全塩基配列決定を行い、Nod2変異箇所を同定した。 他のgradeについては、同定した変異の有無の確認のみを行った。GVHDのgrade、白血病の病型、予後、再発率、死亡率と相関を示した。 骨髄移植を必要とする難治性の白血病の診断に極めて有用な情報が得られた。 (ii) クローン病におけるNod2変異の同定 クローン病患者由来検体約450例を解析した。 本邦と欧米でのクローン病における遺伝子背景の相違を示す、大変異味深い情報が得られた。 (2)Nod1およびNod2結合因子の機能解析 Yeast-two-hybrid法により、Nod1およびNod2に結合して機能制御を行う因子の同定と機能解析を行った。 これまでその発症との相関を我々が報告してきたクローン病やサルコイドーシスの発症機序に合致し、症状の変遷に深く関わるきわめて重要な因子を複数個同定できた。 これらの情報が新しい診断基準および新規治療法開発につながる。
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