研究課題
1. Nod familyの活性制御因子の同定と解析(目的) Nod familyの活性制御機構を明らかにし、治療法開発に応用する。(方法) yeast two hybrid法により、 Nod family結合因子を同定した。(結果)癌抑制遺伝子と活性酸素制御因子であり、 Nod familyの活性を制御した。(意義、重要性)細菌感染と悪性腫瘍発症の関連に関して、自然免疫系と癌抑制因子の直接的相互作用を明らかにした。また自然免疫系と活性酸素制御が直接関連することも明らかになり、新規の病態機序を解明し、新規治療法開発の基盤形成を行うことが出来た。2. Nod family関連疾患の欧米と本邦での比較(目的)本邦のクローン病とGVHD発症へのNod2の関連を明らかにし、診断に応用する。(方法)クローン病400例、骨髄移植150ペアのNod2変異解析を行った。(結果) Nod2の機能低下型SNPを同定した。このSNPはクローン病と重症GVHDの発症には影響しなかったが、白血病症例に優位に多かった。(意義、重要性)日本人でのNod2と悪性腫瘍の相関を初めて明らかにした。本研究の成果により、日本人集団ではNod2の機能が変化してもGVHD発症には影響しないことが明らかになり重症GVHDが本邦では頻度が低い原因を説明する結果となった。またNod2機能異常と白血病発症の関連はこれまで報告されていない新しい知見であり、前項で得た成果である感染免疫機構と癌抑制機構の関連の分子機構を証明する結果となった。
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