研究課題
全身性エリテマトーデスは、自己抗体である抗DNA抗体の産生を特徴とする全身性自己免疫疾患である。その病因として、自己反応性B細胞の活性化、自己抗体産生が考えられている。Toll様受容体は、さまざまな病原体の菌体成分を認識する受容体で一部の受容体は、核酸成分を認識する。 SLEの病因を解明する目的で、SLE患者末梢血リンパ球のTLR発現を検討した。その結果、SLE患者末梢血の、形質細胞様樹状細胞(PDC)においては、TLR9の発現は、変化がみられなかったがB細胞においては、健常人に比べ有意なTLR9の発現亢進がみられた。 TLR9は、SLE患者の、抗DNA抗体から成る免疫複合体を認識し、B細胞、樹状細胞に活性化シグナルを送ることか明らかにされている。SLE患者、B細胞のTLR9発現の亢進は、SLE患者、流血中に増加している免疫複合体などの核酸成分の認識、B細胞のさらなる活性化を引き起こし、SLEの自己免疫発現の永続化に関与することが示唆された。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
Clin Exp Rheumatol. 26
ページ: 121-4
FEBS Lett. 582
ページ: 579-85
J Rheumatol. 34
ページ: 493-500