研究概要 |
メチルマロン酸血症はメチルマロニルCoAムターゼの機能低下による代表的な有機酸代謝異常症であり、わが国での頻度は約10万人に一人と先天代謝異常症の中では比較的頻度が高い。メチルマロン酸血症はメチルマロニルCoAムターゼ自体の異常とコバラミン合成系の異常に大別される。 タンデムマスによる新生児スクリーニングの普及とともに、軽症型メチルマロン酸血症が見つかってきている。本研究では軽症・良性メチルマロン酸血症に関しメチルマロン酸血症発症にかかわる遺伝子の検索をとおして病態を解明し、さらに治療の要・不要に結びつけようとするものである。 全国より依頼のあったメチルマロン酸血症の患者検体より、軽症・良性型10例について、メチルマロニルCoAムターゼ遺伝子(MUT)、エピメラーゼ遺伝子(MCEE、コバラミン合成系の異常として既に単離されているMMAA, MMAB, MMACHC遺伝子の塩基解析を実施した。結果として有意な塩基置換は認められなかった。 また本研究による副次的に集まった典型例に関しMUT遺伝子の変異解析を行ったところ日本人患者に特有の変異スペクトラムを見出したので発表した(J Hum Genet 52:48-55:2007)。
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