研究概要 |
Charcot-Marie-Tooth病1型と診断された144例中,CMTIA重複,PMP22,PO蛋白,Cx32,EGR2,LITAF,GDAP1,MTMR2の各遺伝子に変異を認めなかった66例を検索対象とし.PRXを検索した.また,2型の89例,病型不明CMT病14例,およびdistal hereditary motor neuropathy(dHMN)7例を検索対象とし,MFN2,HSP27,HSP22を検索した.ゲノムDNAを抽出し,各エクソンおよびエクソンイントロン移行部をPCRで増幅後,Denaturing High Performance Liquid Chromatographyにより変異の有無をスクリーニングし,変異が検出されたDNA断片の遺伝子配列を決定した.1型の検索では,PRX変異を4症例に検出した.3症例はR1070X(C3208T)のホモ接合体であり,1例はR1070X/L132FsX153の複合ヘテロ接合体であった.臨床的には,早期に発症するが進行は緩徐であることが特徴であった.R1070Xは日本人に多い変異であるが,founder effectは認めず,hot spotにおける変異と考えられた.2型の検索では,MFN2異常を10症例に検出した.HSP27の変異をdHMNの2症例に認めた.HSP22に関しては,4種の多型のみを検出した. ヒトNav1.6cDNAを単独およびAnkyrinGやナトリウムチャネルβ1サブユニットと培養細胞系に発現させ,パッチクランプ法を用いて検討した.Nav1.6遺伝子単独発現により持続性内向き霜流を認め,Ankyrin Gとの共発現により持続性電流は著減し、不活性化曲線がシフトした.即ちAnkyrin Gにより不活性化のゲーティングが変化することが示された.論文を作成し,雑誌に掲載した.
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