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2008 年度 実績報告書

動物実験モデルを用いた小児急性脳脊髄炎に対する骨髄幹細胞移植療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18591147
研究機関信州大学

研究代表者

市川 元基  信州大学, 医学部, 教授 (60223088)

研究分担者 塩原 正明  信州大学, 医学部, 准教授 (00293514)
キーワード実験的自己免疫性脳脊髄炎 / 骨髄幹細胞移植
研究概要

雄ラットの大腿骨から骨髄幹細胞を採取し、モルモットのミエリン塩基性タンパクを雌のルイスラットに感作して誘導した実験的自己免疫性脳脊髄炎の発症初期、中期、回復期の中枢神経組織(大脳半球および脳室内)に移植した。しかし、脳脊髄炎の臨床症状に関して骨髄幹細胞移植群と移植しなかった群との間に差はみられなかった。脳脊髄炎回復後にラット解剖して中枢神経系の病理組織標本を作成し、Y染色体プローブを用いて移植した雄ラットの骨髄幹細胞の分布を確認した。この実験的自己免疫性脳脊髄炎は主に腰部脊髄を中心に白質および灰白質の炎症を起こしていた。しかし,大脳半球に移植した神経幹細胞はほとんど脳脊髄炎を起こした腰部脊髄組織には確認できなかった。次にタイラー脳脊髄炎ウイルスを雌のSJL/Jマウスの脳内に接種して発症させた脱髄疾患モデル動物の大脳半球および脳室内に雄マウスの骨髄幹細胞を移植したが、やはり脊髄に骨髄幹細胞の生着は確認できなかった。さらに髄鞘オリゴデンドロサイト糖蛋白の脳炎起炎ペプチドである35-55を雌のNODマウスに感作して発症させた再発寛解型脳脊髄炎初発時のやや回復期の大脳半球および脳室内に雄マウスの骨髄幹細胞を移植した。このNODマウスは脊髄炎とともに視神経炎を起こしており、少量ではあるが移植した骨髄幹細胞が寛解期の視神経に確認された。しかし、臨床症状の回復あるいはその後の再発頻度に差はみられなかった。この脳脊髄炎では炎症性サイトカインが脳脊髄炎の発症に深く関わっていることが知られており、各種サイトカインの動態が骨髄幹細胞移植における移植細胞の生着に関係していると考えられ、今後、炎症性および調節性サイトカインの各病期における動態を調べ、骨髄幹細胞移植の生着と臨床症状の改善に関する研究を行う必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Antibodies to myelin oligodendrocyte glycoprotein are not involved in the severity of chronic non-remitting experiraental auto immune encephalomyelitis2009

    • 著者名/発表者名
      Sekiguchi Y, Ichikawa M, Takamoto M, Ota H, Koh C-S, Muramatsu M, Honjo T, Ageraatsu K
    • 雑誌名

      Immunology Letters 122

      ページ: 145-149

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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