ミトコンドリア機能異常症は細胞が生きるために必要なエネルギーを産生するミトコンドリアの機能障害により生ずる疾患群である。本疾患では種々の臨床症状を呈するが、特にエネルギー供給を常に必要とする中枢神経系や筋肉において症状が出現しやすい。ミトコンドリア機能異常症の中には進行性の神経症状を主症状とするLeigh脳症がある。このLeigh脳症は乳幼児期に発症し、中枢神経系の特異的な画像所見および高乳酸血症・高ピルビン酸血症を呈し、精神運動発達遅延、痙攣などの神経症状を伴う小児難病である。このLeigh脳症は種々の病因に基因している。これまでにはピルビン酸脱水素酵素複合体(PDHC)の異常や電子伝達系酵素異常やミトコンドリアDNA異常などが報告されている。本研究ではLeigh脳症をきたす新たなミトコンドリア機能異常症の解明とその治療法の確立である。
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