研究課題/領域番号 |
18591156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
三井 真一 高知大学, 医学部, 助教授 (20295661)
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研究分担者 |
由利 和也 高知大学, 医学部, 教授 (10220534)
大迫 洋治 高知大学, 医学部, 助手 (40335922)
足立 貴世美 高知大学, 医学部, 助手 (60335932)
細川 卓利 高知大学, 医学部, 助手 (10380312)
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キーワード | 精神遅滞 / セリンプロテアーゼ / neurotrypsin / 社会行動 |
研究概要 |
Motopsin欠損マウスについて行動学的解析行ったところ、社会行動テスト、レジデントイントルーダーテスト、ソーシャルレコグニションテストのいずれにおいても野生型マウスより長時間社会行動を示すことが明らかになった。その他の学習や情動行動には差が認められなかった。また、motopsin欠損マウスでは野生型マウスに比べ、海馬錐体細胞の頂上樹状突起上のスパイン密度が有意に低下していることも見いだした。 Motopsinと相互作用するSez-6について特異抗体を作製して、motopsinと同様に細胞体や樹状突起基部にパッチ状に局在していることを見いだした。生体マウス脳内では嗅球、大脳皮質、梨状皮質、海馬CA1領域、線条体、外側扁桃体等に発現していることを明らかにした。また、もう一つのmotopsin結合蛋白質Itm2aについてもCOS細胞にmotopsinと共発現させた場合に相互作用することを免疫沈降法と組織細胞化学法によって明らかにした。 MotopsinおよびSez-6についてヒトの臨床検体を用いた測定法開発を目指すために、これらに対する抗体を作製した。パラフィン切片を用いた免疫染色ではいずれの抗体もヒトの脊髄や大脳皮質に存在するニューロンの細胞体内に反応性を示した。また、ヒトmotopsinをマウス初代培養ニューロンに発現させた場合にマウスmotopsinと同様細胞体および樹状突起基部にパッチ状に存在することを明らかにした。 以上のことから、motopsinはニューロン上に結合蛋白質とアンカーした状態で存在しており、スパイン密度の調節に関与しており、社会行動に大きな影響を与えていると考えられる。これに関わる分子の測定系は精神遅滞の診断・治療法開発の基盤となる可能性が示された。
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