研究課題
基盤研究(C)
Calreticulinの発現レベルを膵臓β細胞、血管内皮細胞のそれぞれにおいて調節できるトランスジェニックマウスを作成した。これはloxP配列とストップコドンにより制御されたcalreticulin過剰発現トランスジェニックマウスと、組織特異的cre recombinase発現マウスとの交配により行う。組織特異的cre recombinase発現マウスとして、膵臓β細胞、血管内皮細胞特異的なプロモーターであるインスリンプロモーター、tie-2プロモーターの制御下にcre recombinaseを発現するトランスジェニックマウスを用いた。前者のトランスジェニックマウスを用いて、脂肪細胞特異的にcre recombinaseを発現するマウスと交配し、脂肪細胞特異的なcalreticulin過剰発現マウスを作成する。このときウエスタンブロット法を用いることにより、脂肪細胞におけるcalreticulinの発現量を野生型と比較する。トランスジーン由来のcalreticulinの発現は、トランスジーンの3'端に存在する小胞体残留シグナルの5'側に挿入したhemagglutinin (HA)タグを、抗HA抗体を用いることにより検出する。このHAタグは、すでにcalreticulinによるカルシウムシグナル調節を障害しないことをin vitroにおいて確認している。また脂肪細胞における内因性、外来性をあわせたcalreticulinの発現量は、calreticulinに対するポリクローナル抗体を用いて検出し、野生型との発現量の違いを比較する。このトランスジェニックマウスにおいて、肝臓、膵β細胞、脂肪細胞における糖、脂質代謝にっいて解析をおこなっている。Calreticulin欠損マウスは、脂肪組織の発生が障害されるとともに、糖、脂質代謝異常をおこすことが示唆されている。一方で、過剰発現マウスにおいても糖の産生、貯蔵やインスリンの産生、分泌などに異常を認めている。
すべて 2006 その他
すべて 雑誌論文 (5件)
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