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2007 年度 実績報告書

テトラヒドロビオプリテン合成に関与するカルボニル還元酵素の脳内発現部位解析

研究課題

研究課題/領域番号 18591170
研究機関日本大学

研究代表者

飯野 熙彦  日本大学, 文理学部, 教授 (50059937)

研究分担者 新宅 治夫  大阪市立大学, 医学部, 准教授 (00206319)
キーワードアルドーケト環元酵素 / BH4欠損症 / SPR欠損症 / AKR1B1 / AKR1C3
研究概要

ヒトのAKR family memberに登録されている酵素の中で、AKR1B1,1C3によるBH4合成が我々により新たに見いだされ、従来BH4合成において必須の酵素と考えられていたセピアプテリン還元酵素(SPR)が関与しない新たな合成系がヒトでも働いていることが明らかとなった。2001年、Dystoniaの患者より初めて見つかったSPR欠損症の患者の血中フェニルアラニン濃度は健常者と同様の値を示し高フェニルアラニン血症ではなかった。一方、2006年にSPR欠損マウスが作製されたが、SPR欠損マウスは高フェニルアラニン血症であり、筋障害を示すことが報告された。この結果はヒトとマウスではAKR1B1,1C3によるBH4合成系の発現の違いを意味している。我々は、すでにAKR1B1,1C3に対する特異性の高い抗体の作製に成功していたので、この抗体を使ってマウスによる発現部位解析を行ってみたところ、マウスの場合、AKR1B1は脳で強く発現していたが、肝臓では発現しておらず、AKR1C3は、肝臓では強い発現が見られたが、脳では発現していないという結果を得た。このことから、マウスの場合、SPRの関与していないBH4合成系は働いていないことが明らかになり、SPR欠損マウスが高フェニルアラニン血症であり、筋障害を示すことの原因が明らかになった。同様の発現解析実験をヒトの肝臓と脳を用いて行ったところ、肝臓では両酵素の発現が見られたが、脳ではAKR1B1だけが発現していることを見いだし、SPR欠損症の患者が示す、血中フェニルアラニン濃度は正常であるが、筋・神経障害が起こる原因を明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Molecular properties and tissue distribution of 30K proteins as ommin-binding proteins from diapause eggs of the silkworm, Bombyx mori2007

    • 著者名/発表者名
      H, Sawada
    • 雑誌名

      Comparative Biochemistry and Physiology PartB, 146

      ページ: 172-179

    • 査読あり
  • [学会発表] 新たなBH4生合成系がマウス体内で発現しているか2007

    • 著者名/発表者名
      平川暖果
    • 学会等名
      日本動物学会第78回大会
    • 発表場所
      弘前
    • 年月日
      2007-09-20
  • [学会発表] カイコの初期胚子発生に関与するカゼインキナーゼ2の活性調節機構と免疫組織化学2007

    • 著者名/発表者名
      澤田 博司
    • 学会等名
      日本動物学会第78回大会
    • 発表場所
      弘前
    • 年月日
      2007-09-20
  • [学会発表] SPRノックアウトマウスはなぜ高フェニルアラニン血症を示すのか2007

    • 著者名/発表者名
      平川 暖果
    • 学会等名
      JPC・JNCP第3回合同研究発表会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-07-21
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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