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2008 年度 実績報告書

小児期発症神経変性疾患での酸化ストレスの解明と抗酸化療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18591175
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

田沼 直之  (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (00281676)

研究分担者 林 雅晴  (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00280777)
キーワード酸化ストレス / MELAS / 急性脳症 / タウ蛋白 / 色素性乾皮症
研究概要

小児期発症神経変性疾患の神経変性に酸化ストレスが関与していることを明らかにするために、ELISA法による生体試料(尿、血液、髄液)中の酸化ストレスマーカー測定と剖検脳を用いた神経病理学的解析を行った。本年度はミトコンドリア病MELASに関して、剖検脳を用いた解析にて病変周囲部のDNA酸化的障害産物8-0HdGの蓄積が増加していることを明らかにした。さらに抗酸化酵素MnSODの陽性細胞はコントロールに比べ有意に減少していた(Mitochondrion投稿中)。また、急性脳症の中で最近注目されている、二峰性けいれんと遅発性拡散能低下を呈する急性脳症(AESD)の病態解明のために、各種髄液マーカーを測定した。髄液タウ蛋白は第1病日は正常で、第3病日以降に上昇することがわかった。このことから、AESDには軸索障害が弐関与しており、初発けいれんから二峰性けいれんの間に進行している可能性が示唆された(第50回日本小児神経学会総会にて発表、Brain Dev投稿中)。さらに、色素性乾皮痕(XP)患者の尿中酸化ストレスマーカーをELISA法で測定した。年長例を中心にXPA 7例中5例で脂質に対する早期段階の酸化ストレスマーカーHexanoyl-lysine adduct(HEL)の上昇がみられそのうち4例でDNAに対する酸化ストレスマーカー8-Hydroxy-2'deoxyguanosine(8-0HdG)、2例で脂質後期段階マーカーAcrolein-lysine adductがそれぞれ上昇していた。経年的な測定を施行しえた症例では年齢ならびに神経症状の進行に応じたHEL・8-0HdGの漸増現象がみられた。神経症状がそれ程進行していないXPD群患者においてもHEL・8-0HdG上昇が確認された。XP患者全体での8-0HdG・HEL平均値は、対照に比べて有意の高値を示していた(医学のあゆみ)。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 色素性乾皮症・コケイン症候群の神経変性機序と治療の試み2009

    • 著者名/発表者名
      林雅晴
    • 雑誌名

      医学のあゆみ 228

      ページ: 143-146

  • [雑誌論文] Oxidative stress in developmental brain disorders2009

    • 著者名/発表者名
      Hayashi M.
    • 雑誌名

      Neuropathology 29

      ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 重症心身障害者の肝脂肪変性における酸化ストレス-予備的検討-2008

    • 著者名/発表者名
      八谷靖夫, 林雅晴, 田沼直之
    • 雑誌名

      脳と発達 40

      ページ: 381-385

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of oxidative stress in xeroderma pigmentosum2008

    • 著者名/発表者名
      Hayashi M.
    • 雑誌名

      Adv. Exp. Med. Biol. 637

      ページ: 120-127

    • 査読あり
  • [学会発表] 急性脳症における髄液タウ蛋白の測定2008

    • 著者名/発表者名
      田沼直之, 宮田理英, 林雅晴, 久保田雅也, 高梨潤一, 奥村彰久
    • 学会等名
      第50回日本小児神経学会総会
    • 発表場所
      ホテル日航東京(東京)
    • 年月日
      2008-05-30
  • [学会発表] 髄液タウ蛋白が高値を示した二峰性けいれんと遅発性拡散能低下を呈する急性脳症の1例2008

    • 著者名/発表者名
      田沼直之、宮田理英、林雅晴、熊田聡子
    • 学会等名
      第111回日本小児科学会学術集会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京)
    • 年月日
      2008-04-26
  • [学会発表] Oxidative stress biomarkers in febrile seizures2008

    • 著者名/発表者名
      Tanuma N., Miyata R., Hayashi M., Kubota M.
    • 学会等名
      The 11^<th> Annual Meeting of the Infantile Seizure Society. International Symposium on Febrile Seizures and Related Conditions
    • 発表場所
      ロイヤルオークホテル(大津)
    • 年月日
      2008-04-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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