研究課題/領域番号 |
18591177
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 北里大学 (2007) 国立成育医療センター(研究所) (2006) |
研究代表者 |
宮下 俊之 北里大学, 医学部, 教授 (60174182)
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研究分担者 |
藤井 克則 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (70344992)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 遺伝学 / 全前脳症 / 脳・神経 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
全前脳症(Holoprosencephaly;HPE)の亜型であるmiddle interhemispheric variant(別名syntelencephaly)で6番染色体長腕にEYA4遺伝子を含む約10Mb欠失を認めた。高密度オリゴヌクレオチドアレイから得られた情報の基づき、PCR法を用いて切断点の配列を決定した。その結果、切断点には5bpのオーバーラップがあることがわかった。また遠位の切断点はEYA4のイントロン2内にあり、EYA4のプロモーター領域とエクソン1と2が欠損していることがわかった。一方、近位の切断点付近には遺伝子が存在しないため、キメラRNAは作られないこともわかった。そこでEYA4の機能について解析を行った。先ずルシフェラーゼアッセイでEYA4はHPEの責任遺伝子の一つであるSIX3と協調的にはたらいてソニックヘッジホッグ(SHH)シグナル伝達を亢進していることを示した。更にGFP(緑色蛍光タンパク)標識のEYA4とDs-Red(赤色蛍光タンパク)標識のSIX3を単独で、あるいは共に高発現させて細胞内分布を見た。EYA4タンパクは本来細胞質にも核内にも分布するが、核タンパク質であるSIX3を高発現させると核内にリクルートされることを共焦点レーザー顕微鏡で示され、両者が結合することが示唆された。また共免疫沈降の実験からもこのデータが支持された。これらのことから、EYA4とSIX3は互いに結合することでSHHシグナル伝達を亢進させていることがわかったが、この作用が直接的なものであるというデータは得られていないため、何らかの分子を介する間接的なものである可能性があり、そのメカニズムの解明が今度の課題である。
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