研究課題
基盤研究(C)
日本人P450oxidoreductase(POR)異常症患者33例における遺伝子型-表現型解析を行い、POR残存活性は、女性外陰部異常の重症度に反映されないことを明確とした。この成積は、本症女児における外性器異常症の発症に従来想定されていた胎盤アロマターゼ活性低下以外の要因が存在することを示すものである。患者の尿ステロイド代謝産物解析では、本症患者における通常のアンドロゲン産生経路(frontdoor pathway)由来のアンドロゲン産生量は、正常からやや低値であることが明らかとなった。さらに、POR異常症において生後数ケ月間のみ17-OHPから5α-17-hydroxy pregnanolone、androsteroneを経て、testosteroneを介さずにdihydrotestosteroneを産生する新たなアンドロゲン産生経路(backdoor pathway)が機能していることが見出された。さらに、われわれは、日本人POR異常症患者では、欧米人に比較して高頻度に女性外性器男性化を認める一方、男性外性器異常の頻度は低いことを見出した。このことは、日本人患者において、強い17/20リアーゼ活性低下とアロマターゼ活性低下を招くR457H変異が高頻度に存在することに一致する。本研究により、POR異常症女児の外陰部異常症の発症における胎盤アロマターゼ活性下と胎児期・乳児期特異的男性ホルモン産生経路の関与が明確となり、さらに日本人女性患者において重度の外陰部異常が生じる機序が解明された。
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