研究課題
申請者は、昨年来より原発性免疫不全症に対する造血幹細胞遺伝子治療の際に使用される臨床用レトロウイルスベクターの作製を行っているが、本年度は昨年に研究成果の基に慢性肉芽腫症に対するレトロウイルスベクターの作製を行った。1)慢性肉芽腫症原因遺伝子ヒトCYBB遺伝子のクローニング:慢性肉芽腫症は食細胞のNADPHオキシダーゼ酵素の構成タンパク質であるgp91^phoxをコードするcytochrome b558heavy chain gene(CYBB)遺伝子に変異にある疾患で、本研究では、gp91^phoxを発現するレトロウイルスベクターを作製するために、健常人多核球よりmRNAを調整し、gp91^phoxのopen reading frameを増幅できるように開始コドンを含むsense primer、終止コドンを含むanti-sense primerを設計し、PT-PCRにて1603塩基対のCYBB遺伝子をクローニングした。クローニングした配列のsequenceの結果、その配列は報告されている遺伝子配列と一致し、今回の研究に使用した。2)gp91phox発現レトロウイルスベクターの構築:上記クローニングしたCYBBcDNAを、申請者が開発したgenesilencing抵抗性レトロウイルスベクターGCDNsapのNcoI-NotI部位に組み込み、CYBB cDNA発現DNgp91を作製した。このベクターをGibbon ape leukemia virus(GaLV)由来envelopeを発現するパッケージング細胞株PG13にtransductionし、gp91^phox発現レトロウイルスベクター産生細胞を樹立した。ウイルスカ価は、ヒトT細胞株であるJurkatにて2.0x10^5ml/I.U.であった。3)遺伝子導入細胞におけるgp91^phox発現:上記、Jurkat細胞でのgp91^phox発現をFACSにて確認したところ、細胞外、細胞内染色においても、その発現を確認した。4)ヒトCD34陽性細胞への遺伝導入:現在、ヒト造血前駆細胞であるCD34陽性細胞に上記ウイルス産生細胞を用いて遺伝子導入操作を試みている。
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