研究課題
1.Artemisと会合する分子に関する検討Artemisと会合する70-kDaの分子をTOF-MSを用いて同定した。その会合にはArtemisのリン酸化が必要であり、また会合によりArtemisの分解が阻害された。Mutantを用いた検討では、リン酸化部位はDNA-PK,ATMの基質となる部位ではなかった。70-kDa側の会合部位及びArtemis側の会合部位から、さらに結合に関与するモチーフを明らかにしつつある(論文投稿中)。2.ATMおよび関連疾患における免疫学的多様性形成の検討AT患者の広範な検討から、その10%では免疫グロブリンクラススイッチに異常を認めることが判明した。また患者ではT cell receptor excision circle(TREC)が低値であり、V(D)J recombinationにおける欠陥を示唆する所見を得た(論文投稿中)。本年度はさらに、Cernunnos欠損症を同定した。CernunnosはXRCC4と会合しNHEJに重要であるが、同患者においてもクラススイッチ異常が明らかになった3.DNA損傷修復異常を伴う先天性免疫不全症における責任遺伝子探索DNA損傷刺激後に発現に変化のある分子群をExpression profiling法にて明らかにした。同手法を用いて同定された新規遺伝子はないが、本年度は新たにCernunnos欠損症およびMrell欠損症を同定した4.DNA損傷修復異常を伴う免疫不全症におけるリンパ系悪性腫瘍発生原因の探索Mrell欠損症の同胞例では若年性肺がんという表現型をとったが、発癌の報告は稀である。NBS1発現の低下や、Rad50発現の現象が認められ、DNA損傷修復反応の詳細を明らかにしつつあるところである。
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